英検4級は、中学初級〜中級レベルの英語力を測る資格で、英語学習のスタート地点として多くの人に選ばれています。文法や単語、リスニングを中心に出題されるため、「何から勉強すればいいの?」と迷う人も多いのではないでしょうか。特に、初めて英検に挑戦する小学生や中学生、そして英語を学び直したい社会人にとって、効率よく学習を進めるための指針はとても重要です。
この記事では、3か月での合格を目指すための勉強スケジュールと、初心者でも使いやすいおすすめ教材を紹介します。「できるだけ短期間で」「無理なく続けられる」英検4級の合格戦略を、一緒に立てていきましょう!
英検4級とは?
検4級は、英語検定の中でも初級者向けの級であり、「英語を基礎から身につけたい人」が最初の目標とするのに最適なステップです。主に中学1年〜2年程度の英語力が問われ、初歩的な文法や語彙、簡単な会話の理解が中心となります。
試験の概要とレベル
英検4級では、「リーディング」と「リスニング」の2技能が出題されます。スピーキングは希望者のみ受験可能で、別日程での実施です。
リーディングでは、単語や短文、日常会話、Eメールなどが題材となり、語彙力や文法力をバランスよく測ります。リスニングでは、会話の応答や内容理解など、音声を聞いて答える問題が中心です。
出題内容のレベルは中学1年〜2年程度で、「be動詞」「一般動詞」「疑問文」「現在進行形」などの基本的な英文法が理解できていれば、十分に対応できます。
合格ラインと合格率
英検4級は、絶対評価による「CSEスコア(英検独自のスコア指標)」で評価され、合格ラインの目安は622点程度とされています。
毎回の試験で多少変動はありますが、過去の統計では合格率は約80%前後と高く、きちんと対策すれば初心者でも十分に合格を目指せる試験です。
3か月で合格するための勉強スケジュール
英検4級は、英語初級者を対象とした資格で、内容は中学1〜2年生レベル。正しい方向で学習を進めれば、英語に自信のない方でも3か月での合格は十分に可能です。
この章では、「毎日少しずつ」「ムリなく」「確実に」力を伸ばせる、3か月間の具体的な学習スケジュールと勉強法のポイントをご紹介します。
全体スケジュールの目安
1ヶ月目:基礎固め(単語+文法)
この時期の目的は、英語に慣れつつ「基礎の土台」をしっかり作ることです。
『英検4級 でる順パス単』を活用し、1日10語ずつ覚えていきます。
通学・通勤時間にアプリ(mikan等)を使うと効率的です。
週末はまとめて復習し、テスト形式で定着度を確認しましょう。
『英検4級をひとつひとつわかりやすく。』を使って、
be動詞・一般動詞・否定文・疑問文・助動詞など、中学1年レベルの文法を順に学習。
1日1テーマ進めると、3週間で基礎文法の大枠を網羅できます。
平日:単語10分+文法解説+例文音読15分
休日:まとめテスト30分+聞き流しや動画学習(英語アニメ・英検動画など)
2ヶ月目:応用&リスニング強化
この時期は「聞く力」と「問題演習の慣れ」を身につけるフェーズです。
『英検リスニングマスター4級』や過去問の音源で練習。
最初はスクリプトを見ながらの聞き取りでもOK。徐々に「聞いて理解する」力を養いましょう。
シャドーイング(音声のまね)やディクテーション(書き取り)も効果的です。
『7日間完成 英検4級予想問題ドリル』に取り組みましょう。
実際の試験形式に近い構成なので、時間配分や設問タイプに慣れるのに最適です。
1週間で1冊完了するペースでも、2〜3周すればかなりの力がつきます。
平日:リスニング15分+予想問題1ページ(読解)15分
休日:模試1回分(60分)+見直し&復習
3ヶ月目:仕上げ・弱点克服
最後の1ヶ月は、「本番形式に慣れる」「自分の弱点を知る」「確実に仕上げる」ための時期です。
英検公式サイトの過去問(3回分)を本番と同じ時間で解いてみましょう。
初回は緊張して思うように解けないかもしれませんが、回を重ねることで自信がつきます。
例えばリスニングの選択肢を聞き取れない、英文メール問題で迷うなど、自分の弱点に応じてテキストを復習。
理解不足の単元は、1ヶ月目・2ヶ月目の教材に戻って再確認しましょう。
スピーキングテストを受ける場合は、公式サンプル問題をもとに音読練習&ロールプレイ。
録音して聞き返すと、発音やテンポも客観的にチェックできます。
平日:過去問1パート(読解orリスニング)+復習で30分
休日:模試+見直し(90分〜)/苦手分野だけ集中練習
スケジュールを継続するコツ
どんなに優れたスケジュールでも、継続できなければ意味がありません。以下の方法で「習慣化」を意識しましょう。
- 学習時間を固定(例:毎日朝7時〜7:30)
- スマホにリマインダーを設定
- カレンダーや手帳に「チェックボックス」で記録
- 進捗が見えるアプリ(スタンプ、ランキングなど)を活用
- 1週間ごとに「できたこと」を振り返る
合格のカギとなる勉強法のポイント
英検4級の出題範囲はそこまで広くはありませんが、限られた時間の中で合格を目指すには、効率の良い勉強法が必要です。ここでは、合格に直結する3つのポイント「単語」「文法」「リスニング」について、それぞれの学び方と注意点を詳しく解説します。
① 英単語・熟語の覚え方
英検4級の単語数は、おおよそ600〜700語が目安です。中学英語の基本語彙が中心ですが、会話や日常表現も出題されるため、単語帳だけでなく「使い方のイメージ」も持つことが大切です。
- 『英検4級 でる順パス単』を1日10語ペースで進め、3〜4週間で1周
- mikanなどの英単語アプリを併用して「隙間時間学習」を取り入れる
- 覚えた単語は例文を音読し、文脈と一緒に記憶すると定着率アップ
- 「名詞→動詞→形容詞→副詞」など品詞ごとにまとめて覚えるのも効果的
- 書いて覚えようとしすぎて、時間がかかる
- 発音・意味だけで満足し、使い方を覚えていない
② 文法の基礎固め
英検4級の文法範囲は、「中学1年生〜2年生レベル」が中心です。
特に頻出なのは以下のような項目です:
- be動詞・一般動詞の区別(I am / He plays など)
- 疑問文・否定文の作り方(Do you / Don’t you など)
- 助動詞(can / must / will など)
- 現在進行形(I am studying)
- 前置詞(in / at / on など)
- 簡単な接続詞(because / and / but)
- 『英検4級をひとつひとつわかりやすく。』で1テーマずつ理解 → 演習
- 文法ごとに「例文を音読 → 書いて練習」の繰り返し
- わからない文法用語は深追いせず、例文と意味の一致で覚える
- 疑問文・否定文の形は正確に作れるか?
- 三単現のs、語順ミスなど「初歩的なミス」を減らせるか?
- 文の意味を正確に理解できるか?
③ リスニング対策
英検4級では、試験の約半分がリスニング問題です。
「音に慣れているかどうか」が合否を大きく左右します。
- イラストを見て内容を聞き取る
- 短い会話のやり取りから適切な答えを選ぶ
- 長めの会話や説明を聞いて、内容に合う選択肢を選ぶ
- 『英検リスニングマスター4級』などのリスニング教材で練習
- 英検公式サイトの**過去問音声(無料)**を活用
- 最初はスクリプト(台本)を見ながら聞く → 慣れてきたら耳だけで聞く
- シャドーイング(聞いたあとすぐにマネする)で耳と口をリンクさせる
- 英語の絵本や英語アニメ(YouTube等)を日常的に取り入れる
- “全て聞き取れなくても大丈夫”。キーワードが拾えれば解ける問題が多い
- 「選択肢先読み」ができると正答率が上がる
- わからなかった音声はスクリプトを見て分析 → 発音・語彙を再確認
合格のためのおすすめテキスト紹介
英検4級 でる順パス単(旺文社)

『英検4級 でる順パス単』は、過去の出題傾向をもとに、よく出る単語を頻度順で効率よく覚えられる単語帳です。単語はすべて音声付きで、スマホからダウンロードして何度でも聞き直すことができます。シンプルな構成なので、小学生や英語に自信がない大人でも安心して使えます。1日10語ずつ取り組むだけでも、3〜4週間で1周できる設計になっており、短期間で語彙力を身につけたい人に最適な一冊です。
- 1日10〜15語を目安に進めると、1か月で1周が目安
- 書くより「声に出して覚える」+アプリでチェックがおすすめ
- 例文音読により、単語だけでなく文法感覚も身につく
7日間完成 英検4級 予想問題ドリル(旺文社)
『7日間完成 英検4級 予想問題ドリル』は、名前の通り1週間で完了できる構成で、試験本番と同じ形式の問題に毎日取り組むことができます。1日分ごとにリーディングとリスニングが組み合わされており、時間を計って解くだけで「本番感覚」が自然に身につきます。各問題には丁寧な解説もついており、間違えた問題の見直しや苦手分野の確認にも使える実用的な教材です。仕上げの時期や模試感覚での活用にぴったりです。
- 2ヶ月目以降の仕上げとして活用(1日1回分 → 見直し含め30〜45分)
- 間違えた問題は「原因分析」をして、ノートにまとめておく
- 音声CDまたは音声DL付きで、リスニング対策としても◎
英検4級をひとつひとつわかりやすく。(学研)
『英検4級をひとつひとつわかりやすく。』は、英語に苦手意識がある人や、学び直しをしたい社会人、小学生の受験者に特におすすめの教材です。全ページにカラーのイラストが使われており、堅苦しさを感じさせず、楽しみながら学べる工夫がされています。文法や表現の説明もとても丁寧で、「なぜこの文になるのか」という理由までしっかり理解できます。1日1〜2ページずつ無理なく進めることで、自然と文法力が定着していきます。
- 1日1〜2レッスン(約10分)ずつ進めて、3〜4週間で1周
- 書くだけでなく、例文を音読&暗唱すると効果倍増
- 分からないページは付箋でチェックし、復習を繰り返す
英検リスニングマスター 4級(Jリサーチ出版)
リスニング対策を本格的に行いたい人には『英検リスニングマスター 4級』が最適です。この教材は、英検4級のリスニング試験に特化した内容で、出題傾向に沿った会話や音声問題を繰り返し練習できます。設問にはイラストが付いているものもあり、本番の雰囲気をリアルに再現しています。聞き取りが苦手な人でも段階的にレベルアップできる構成で、シャドーイングやスクリプトを使った復習にも対応しているため、聞く力を鍛えるのに非常に効果的です。
- 毎日1セクション+スクリプト確認で、20〜30分の学習に
- 聞き取れない部分はディクテーションやシャドーイングで補強
- スマホに音声を取り込んで、通勤・通学中の学習にも便利
英検mikan(英単語アプリ)
mikanは、スマホで学べる無料の英単語アプリで、英検4級に対応した専用の単語セットも収録されています。クイズ形式でテンポよく進められるため、学習へのハードルが低く、毎日のちょっとした時間を有効活用できます。さらに、音声付きなのでリスニング対策としても役立ちます。紙の単語帳と併用することで、目・耳・手をフル活用したハイブリッドな語彙学習が可能になります。
- App StoreやGoogle Playからダウンロード可能
- 英検4級に対応した単語セットあり
- ゲーム感覚で語彙力UP、音声付き、進捗管理も便利
公式サイトはこちら
このように、テキストごとに強みが異なります。「文法をやさしく理解したい」「本番形式で練習したい」「単語をスキマ時間で覚えたい」など、自分の学習スタイルに合わせて最適な教材を選びましょう。
勉強を継続するコツ
英検4級の合格には、派手なテクニックよりも「継続」が何より大切です。
特に英語が得意でない人や、勉強の習慣がない人にとっては、最初の1週間をどう乗り越えるかが最大の壁となります。
ここでは、日々の勉強を楽しく・ムリなく・途切れずに続けるためのコツを紹介します。
① 1日の勉強時間は短くてOK
「毎日1時間やらないといけない」と思い込んで挫折してしまう人は少なくありません。
実際は、1日15〜30分程度でも十分です。
むしろ短時間の学習を毎日続けるほうが、脳が英語に慣れ、知識も定着しやすくなります。
- 例:朝10分 → 単語アプリ、夜15分 → 文法+問題演習
- 土日は復習や模擬試験など、少し長めに取り組むだけでOK
② 習慣化のための“決まった時間”を作る
継続のカギは「習慣化」です。そのためには、毎日同じ時間に学習するルールを自分に課すと、グッと楽になります。
- 朝起きてすぐ
- 学校や仕事から帰ってすぐ
- 寝る前の静かな時間
このように“生活の流れに組み込む”のがポイントです。
さらに、スマホのリマインダーやアプリの通知機能を使うと、習慣づけがスムーズになります。
③ 見える化と達成感を味方にする
勉強を“見える形”にすると、モチベーションが上がります。
以下のようなツールを使うことで、達成感が実感できる仕組みを作れます。
- カレンダーや手帳に「〇(できた)」「×(できなかった)」を記録
- チェックリスト形式で「教材の進行状況」を管理
- mikanアプリやスタディ記録アプリの“連続記録日数”機能を活用
小さな達成の積み重ねが「続けた自信」につながり、結果的に合格へとつながります。
④ やる気が出ないときの対処法
「今日はどうしてもやる気が出ない…」という日も、誰にでもあります。
そんな時は無理に頑張ろうとせず、“ゆるくやる”選択肢を持ちましょう。
- 単語アプリを5分だけやる
- 好きな英語のYouTubeを1本観る
- 勉強はしないが、前回のページを見返すだけにする
「ゼロにしない」が継続のコツです。
⑤ 合格後のイメージを持つ
「この試験に合格したらどうなるか?」という明確なイメージが、勉強を続ける原動力になります。
- 「英検4級合格証を部屋に飾る」
- 「3級やTOEICにステップアップする」
- 「子どもに“すごい!”って言ってもらう」
こうしたモチベーションを言語化・可視化して、常に見える場所(手帳・スマホのロック画面など)に置いておくと、日々の学習の意味がぶれにくくなります。
模試と過去問の活用法
英検4級に限らず、あらゆる検定試験において「過去問・模試の活用」が合格の鍵を握っています。
英検では出題傾向が安定しており、過去問をしっかりこなすことで試験の形式に慣れ、本番でも焦らず対応できるようになります。
模試・過去問はいつから始める?
おすすめは試験日のおよそ1ヶ月前から模試形式の演習に取り組むことです。
1〜2ヶ月目で単語・文法・リスニングをひととおり学んだ後、「総合演習」として使うのが効果的です。
- 週に1〜2回のペースで本番と同じ時間(約60分)で解いてみる
- 最初は時間を気にせず丁寧に解き、2回目以降に時間配分を意識する
おすすめの模試教材・無料過去問
以下の2つは必ず押さえておきたい模試用教材です。
- 7日間完成 英検4級 予想問題ドリル(旺文社)
本番形式の問題を1日分ずつ解く構成。特に「模擬テストとしての感覚」を掴むのにぴったりです。 - 英検公式サイトの無料過去問
👉 https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_4/
過去3回分の問題・リスニング音声・解答が無料でダウンロードできます。公式ならではの信頼性があります。
過去問の正しい解き方
本番さながらに取り組むことが大前提です。
- 静かな環境で時間を計る(計60分)
- リーディング → リスニングの順で解く(本番通り)
- 解き終わったら自己採点&間違い分析
- 間違えた問題は原因別に分類
→ 単語がわからなかった?文法ミス?聞き取れなかった?
問題を「解いた」で終わりにせず、「なぜ間違えたか」を確認し、必要に応じて復習教材に戻りましょう。
おすすめの復習法
- 単語・文法ミスは「自作の復習ノート」にまとめて再チェック
- リスニングのミスは、音声スクリプトを見ながら聞き直し
- 選択肢で迷った問題は、選ばなかった選択肢の意味までチェックする
1回の模試から学べることは多く、「何点取れたか」よりも「どう復習したか」が結果を左右します。
本番までに何回解けば安心?
最低でも3回以上は本番形式で模試を解いておくと安心です。
- 1回目:問題形式を知る&実力チェック
- 2回目:時間配分・ミスの傾向を分析
- 3回目:本番同様に集中して挑戦、実戦力の確認
本番前日〜2日前には「自信を持って」終われるよう、間違いノートを軽く見直す程度で調整しましょう。
まとめ|3か月で英検4級に合格するために
英検4級は、英語初心者でもしっかり準備すれば3か月で十分に合格が目指せる試験です。大切なのは、単語・文法・リスニングの3本柱をバランスよく学びながら、自分のペースで無理なく継続していくこと。
今回ご紹介した「でる順パス単」や「予想問題ドリル」などのおすすめ教材を活用すれば、短期間でも効果的に力をつけることができます。また、学習を続けるためには、スキマ時間を使ったアプリ学習や、達成感を実感できる工夫も忘れずに取り入れてみてください。
「やるべきこと」と「続ける工夫」があれば、合格はすぐそこです。あなたのチャレンジを心から応援しています!