FPのCBT化で、何が変わって何が変わらないか

FPのCBT化で、何が変わって何が変わらないか

公開 2026年7月26日6分

受けて合格した記録筆者はFP2級・3級に独学で合格していますが、受験したのは紙試験の時代(2級は2023年認定・日本FP協会)で、CBTでは受けていません。テストセンターの様子や画面の操作感は書いていません。この記事は、紙試験時代の情報を持っている側から見て、公式の一次情報で確かめられる範囲だけを整理したものです。

結論

CBT化で変わったのは受け方で、試験の中身ではありません。日本FP協会の案内は「出題形式や合格基準に変更はありません」と明記していて、試験時間(2級は学科120分・実技90分)も問題数も同じです。変わったのは、受検日を自分で選べること、受検者ごとに問題が違うこと、テストセンターのPCで解答すること、次に受けられるのが前回の合格発表日の翌日以降になったこと、公表される過去問が年1セットになったこと、法令基準日が実施期間ごとの帯になったことです。だから紙試験時代の情報は、試験範囲の枠組み・出題形式・合格基準・試験時間について書かれた部分は今も使え、日程・申込み・会場・過去問の入手について書かれた部分は使えません。同じ分野の説明でも、法令や数値は基準日で変わるので別扱いになります。2級は2025年4月1日から、3級はその前年度からで、2級の一斉方式のペーパーは2025年1月試験で終わりました。1級は今も一斉方式のペーパーです。なお実施期間と休止期間は年度で変わり、CBT化を告知した公式の案内でさえ日程の部分は既に古くなっているので、そこは毎年の試験日程ページで確かめます。

理由と、その根拠にした公式情報は本文にあります。

FP技能検定はCBT(パソコン受検)に移りました。一方で、紙試験の時代に書かれた情報は、体験談も教材の説明もそのまま残っています。この記事で扱うのは、その古い情報のどこが今も使えて、どこが使えなくなったかの判定です。申込みの操作手順は書きません。

CBT化の時期と対象

日本FP協会の案内によると、2級は2025年4月1日から通年受検のCBTへ完全に移行しました。3級はその前年度に先に移っています(協会が過去問の公表方針を3級は2024年度から、2級は2025年度からと書き分けていることでも確かめられます)。2級の一斉方式のペーパー試験は、2025年1月試験で終わりました。

1級は別です。協会は案内の中で「1級FP技能検定は従来どおり一斉方式のペーパー試験を継続いたします」と書いています。つまり級によって方式が違うので、1級の情報を2級・3級の話として読むと合いません。

変わらなかったもの

協会の案内は、出題形式の欄でこう書いています。

出題形式や合格基準に変更はありませんが、受検者毎に試験問題は違います。また、テストセンターのPCにて解答していただく形式となります。

試験時間と問題数も同じです。試験要綱の2級は学科が120分・60問、実技が90分・40問で、これは紙試験の問題用紙に書かれていた時間と一致します。合格基準も学科が60点満点で36点以上、実技が100点満点で60点以上のままです。

ただし、同じ協会の文書でも出題形式の書き方はそろっていません。紙試験の表紙は学科を「四肢択一式」、実技を「すべて記述式」と書いていますが、現行の試験要綱は学科を「多肢選択式」、実技を「多肢選択式及び記述式」としています。学科と実技の両方でラベルが違うので、これは形式が変わったのではなく、文書ごとの書き方の差です。 形式そのものは協会が変更なしと明記しています。古い資料を見るときに照合すべきなのは、形式そのものではなく言い方のほうです。

だから、紙試験の時代に書かれた情報でも、試験範囲の枠組み・出題形式・合格基準・試験時間についての部分は今も使えます。古いというだけで捨てる必要はありません。ただし6分野の中身のうち、法令や数値は毎年の基準日で変わります。そこは「変わっていない側」には入りません。

変わったのは受け方のほう

変わったのは、試験の中身ではなく受け方です。協会の案内から、準備の組み立てに効く部分を挙げます。

  • 受検日を自分で選べる。全国のテストセンターから希望する日時を選ぶ形になりました。年3回の決まった日に合わせる必要はありません
  • 申請はWebのみになりました
  • 受検者ごとに問題が違う。同じ日に受けた人と同じ問題とは限りません
  • 次に受けられるのは、前回の合格発表日の翌日以降。予約そのものは受検日の翌日からできますが、受検日をそれより前に置くことはできません
  • 合格発表の日は、受検した月ごとに決まっています。ただし点数そのものは試験当日に分かります

効き方が大きいのは、最後の2つの組み合わせです。点数は当日に分かるのに、次に受けられるのは合格発表を過ぎてからになります。しかも合格発表日は受検日ごとではなく受検した月ごとに決まっているので、あく期間は月のどこで受けたかで変わります。協会の2026年度の日程だと、6月に受けた分の合格発表は7月15日なので、次に受けられるのは7月16日以降です。6月1日に受けたなら1か月半ほど、6月30日に受けたなら半月ほどあくことになります。どちらにしても「だめならすぐ受け直す」という紙時代の前提は崩れます。

教材と過去問の集め方への影響

受け方の変更のうち、手元にそろう材料まで動かしたものが2つあります。

1つは、公表される過去問が年1セットになったことです。紙試験の時代は実施回ごとに問題が公開されていましたが、CBT化後は毎年5月下旬ごろに1セット分だけが公表されます。無料で手に入る現行方式の演習量は、その分だけ限られます。

もう1つは、法令基準日が実施期間ごとの帯になったことです。紙試験の時代も回ごとに基準日は示されていましたが、いまは当年6月から翌年5月までに受ける分が当年4月1日の法令を基準にする、という形になっています。

どちらも教材選びの判断に直結するので、FP2級、独学で足りなくなるのはどこかで分けて扱っています。過去問だけで足りるかという論点は過去問だけでFP3級に受かるかのほうです。

なお、CBTになって易しくなった、あるいは難しくなった、という話はこの記事では扱いません。合格率は受検者層で動くので、方式の変更と結びつけて読めないためです(FP2級はどのくらい難しく、どのくらい時間がかかるかで扱っています)。

公式の案内も古くなる

ここまで引いてきた協会の案内は2024年3月29日付で、CBT化を告知した文書です。試験の中身が変わっていないことの根拠としては今も有効ですが、日程の部分は既に古くなっています

案内は休止期間を「年末年始、3月1カ月間、5月下旬」と書いています。ところが協会は試験日程のページで「より多くの受検者の皆様に受検の機会を広げるため、2026年度より試験実施期間を拡大します」と告知していて、2026年度は2027年3月24日まで実施し、休止期間は2026年5月24日〜5月31日、2026年12月28日〜2027年1月5日、2027年3月25日〜3月31日の3つです。3月がまるごと休止という記載は、もう当てはまりません。

告知した本人の文書でもこうなるので、日程・休止期間・申込みの条件は、その年の試験日程のページで見ることになります。変わらない部分(出題形式・合格基準・試験時間)と、毎年見に行く部分(日程)を分けて扱うのが、この制度の付き合い方です。

運営者の場合(紙試験時代)

運営者が2級・3級を受けたのは紙試験の時代です(2級は2023年認定・日本FP協会)。CBTでは受けていないので、テストセンターの雰囲気や画面の操作感は書けません。 この記事で書いているのは、紙時代の情報を持っている側から見て、どこが今も使えてどこが使えないかの判定だけです。

紙試験は年3回の決まった日にしか受けられないので、運営者はその日から逆算して準備しました。いまは受検日を先に自分で置けるため、逆算の起点の決まり方が違います。これは制度の違いであって、どちらが有利かという話ではありません。

どう判断するか

  • 古い情報は、中身か受け方かで仕分ける: 試験範囲の枠組み・出題形式・合格基準・試験時間について書かれた部分は、紙時代のものでも使えます。日程・申込み・会場・過去問の入手について書かれた部分は使えません。同じ分野の説明でも、法令や数値は基準日で変わるので別扱いです
  • 級を確かめてから読む: 1級は今も一斉方式のペーパーです。1級の話を2級・3級に持ち込まない
  • 日程は毎年見に行く: 実施期間と休止期間は年度で変わります。CBT化を告知した公式の案内でさえ、この部分は既に古くなっています
  • 落ちたときの間隔を先に知っておく: 点数は当日に分かりますが、次に受けられるのは前回の合格発表日の翌日以降です。合格発表日は受検した月ごとに決まっているので、月のどこで受けたかで半月から1か月半ほど変わります
  • 教材と過去問の話は別: 公表が年1セットになったことと法令基準日の帯は、独学で足りなくなるのはどこかで扱っています

この記事が参照した一次情報

試験制度は変わります。上の「確認」日以降に改定されている可能性があるため、 受験の申込みや日程の判断は必ず公式サイトの最新情報で確かめてください。