きんざいとFP協会、どっちで受けるか

きんざいとFP協会、どっちで受けるか

公開 2026年7月21日6分

受けて合格した記録筆者の3級・2級の受検は紙試験の時期(2022年・2023年認定)です。この記事の制度の記述は現行のCBT方式の公式情報によるもので、受検体験からは書いていません。

結論

学科は同一問題で、どちらの団体で合格しても他方に持ち込めます。試験内容の差は、実技の科目と出題形式にあります。公表合格率は団体で23ポイント違いますが、学科が同一問題である以上、この差は難易度の比較には使えません。

理由と、その根拠にした公式情報は本文にあります。

2級・3級のFP技能検定を申し込むとき、最初に決めるのが実施団体です。日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)のどちらでも受検でき、合格後に名乗れる資格は変わりません。この記事では、両団体の制度上の差を公式情報から並べ、どちらの団体で受けるかの分かれ目を整理します。きんざいを選んだ場合に実技の4科目からどれを受けるかは、出題範囲を比べる別の判断になるので、ここでは扱いません。勉強法と教材の選び方も範囲の外に置きます。

2つの実施団体と、合格後に名乗れるもの

FP技能検定は職業能力開発促進法に基づく国家検定で、厚生労働大臣から指定試験機関の指定を受けた団体が実施します。指定を受けているのは日本FP協会ときんざいの2団体です。学科試験と実技試験の両方に合格すると合格証書が出て、等級ごとに「ファイナンシャル・プランニング技能士」と名乗れます。この称号に、どちらの団体で受けたかは付きません。ただし合格証書には、受けた実技の選択科目名が記載されます。

学科試験の問題は、2級・3級とも両団体で共通です。きんざいのページにも「2級と3級の学科の問題は日本FP協会と共通」と書かれています。試験時間・問題数・合格基準も一致していて、2級は120分・60問・36点以上(60点満点)、3級は90分・60問・36点以上(60点満点)となっています。

学科と実技、どちらが団体で変わるか

団体によって変わるのは実技のほうです。2級の実技を並べると、次のようになります。

日本FP協会 きんざい
科目 資産設計提案業務 個人資産相談業務/中小事業主資産相談業務/生保顧客資産相談業務/損保顧客資産相談業務
出題形式 多肢選択式及び記述式 事例形式
問題数 40問 5題
試験時間 90分 90分
合格基準 60点以上(100点満点) 30点以上(50点満点)
受検手数料 6,000円 各6,000円

3級の実技も構造は同じです。協会は資産設計提案業務の1科目(60分・20問・60点以上/100点満点)、きんざいは個人資産相談業務と保険顧客資産相談業務の2科目(60分・5題・30点以上/50点満点)で、手数料はどちらも4,000円です。

合格ラインは、いずれも満点の6割で揃っています。なお、設問ごとの配点は両団体とも公表していません。問題数と満点から1問あたりの重みを割り出して比べることはできない、ということです。

公表合格率が団体で23ポイント違う理由

2級学科の合格率は、2025年10月〜2026年2月のCBTで日本FP協会が47.18%(受検27,310人・合格12,885人)、きんざいが24.07%(受検18,417人・合格4,433人)でした。同じ期間に、同じ問題を解いた結果です。

この差から読み取れるのは、受けている人の集まりが団体で違うということまでです。問題が同一である以上、「きんざいのほうが難しい」は事実としては書けません。

一部合格を持ち込める範囲

学科だけ、あるいは実技だけの合格は一部合格となり、合格した試験実施日の翌々年度末まで、もう片方を受けるときの免除に使えます。CBTでは学科と実技を別々の日に受けられるので、この組み合わせが取れます。

免除が団体をまたげるかどうかは、学科と実技で扱いが分かれます。

学科は、どちらの団体で合格しても他方に持ち込めます。 協会の試験要綱に、次の注記があります。

※実技試験(資産設計提案業務)の受検にあたり、一般社団法人 金融財政事情研究会で受検した学科試験を免除することは可能です。

逆向きについては、きんざいのQ&Aが2級・3級の両方を認めています。協会の2級学科に一部合格していれば、きんざいの2級実技を受けるときに学科の免除を申請できる、との案内があります(3級も同じです)。きんざいは複数指定試験機関方式のページで「受検資格および試験免除基準は同一です」とも書いています。学科の問題が共通であることとは別に、免除の規則の側でも揃えてあるわけです。

実技の一部合格を免除に使えるのは、合格した実技科目に限られます。 協会の要綱には、こう書いてあります。

日本FP協会で受検申請する場合、実技試験の免除は資産設計提案業務に限ります。一般社団法人 金融財政事情研究会が実施した実技試験(個人資産相談業務、中小事業主資産相談業務、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務、保険顧客資産相談業務)の免除はできませんので、免除を希望の方は一般社団法人 金融財政事情研究会で学科試験の受検申請を行い、その際に実技試験の免除の手続きをしてください。

案内されているのは、きんざいの実技に合格した人がきんざい側で学科を申し込む道筋です。反対に、協会の実技(資産設計提案業務)に合格した人がきんざいで学科を申し込むときは、申込時の免除申請ができません。きんざいの学科に合格したあとで協会側の手続きを取ることになる、とQ&Aが案内しています。

別の科目を後から受ける道は残っています。きんざいでは複数の科目を受検でき、合格証書は科目ごとの発行です。3級で個人資産相談業務に一部合格した人が、その免除を申請したうえで、3級学科試験と保険顧客資産相談業務を受けて両方に合格すれば、合格証書は2枚になります。引き継げないのは、合格済みの科目の免除だけです。

もう1点、免除は自動では効きません。受検を申し込むときに、あわせて免除申請をする必要があります。きんざいの免除ページは「免除申請をしなかった場合は、試験に合格しても一部合格となり、総合合格とは判定されず合格証書は発行されません」と明記していて、協会の要綱にも、免除も自動免除も申請していない場合は両方に合格しても合格証書が発行されないと書かれています。両方受かったのに免除を申し込み忘れて合格証書が出ない、という取りこぼしが制度としては起こりうる形です。

受検手数料と試験日程

受検手数料の本体は、両団体で同額です(2級は学科5,700円・実技6,000円、3級は学科・実技とも4,000円、いずれも非課税)。試験実施日も、1級実技を除いて両団体で同一だと、きんざいが明記しています。決済や払込にかかる手数料は、どちらの団体でも別途負担になります。

予約のかけ方は、団体で構造が違います。協会は受検日を基準に、その月を含んで4カ月前の月初から3日前まで予約できます。きんざいは申込日を基準に、その3日後から3か月先の月末までが予約できる範囲です。基準点が違うだけで、固定した申込日から最も先に予約できる月は、ほぼ変わりません。差として残るのはキャンセル手数料のほうで、きんざいが330円、協会は科目の組み合わせごとの別表になっています。

どちらを選ぶか

  • 生命保険・損害保険・中小企業の資産といった分野が実務で決まっているなら、きんざいの該当科目が向いています。出題の題材が担当業務と重なるからです
  • 分野を絞る事情がなければ、協会の資産設計提案業務です。2級・3級とも実技が1科目なので、科目を比べる作業そのものが発生しません
  • 3級で保険分野に寄せたい場合、対応するのはきんざいの保険顧客資産相談業務です。協会の3級実技は資産設計提案業務だけで、分野を絞った科目は用意されていません
  • 学科から先に受けるつもりなら、団体の決定を実技の申込みまで残しておけます。学科の免除は団体をまたげるからです

この記事が参照した一次情報

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