FP2級と宅建、どっちが難しいか

FP2級と宅建、どっちが難しいか

公開 2026年7月26日8分

勉強したが未合格筆者はFP2級・3級に独学で合格していますが、宅建は勉強したものの合格していません。宅建の中身がどう難しいかを合格者として書くことはできないため、この記事は両試験の実施団体が公表している情報から観測できる差だけを並べています。FP側の合格も紙試験の時代(2級は2023年認定・日本FP協会)で、CBTの受け方は公式情報から書いています。

結論

合格率だけを並べると宅建のほうが難しく見えますが、2つの数字は同じものを指していません。FP2級の合格基準は学科が60点満点中36点で固定されていて、公表合格率は同一問題でも実施団体で大きく割れます。宅建は合格基準点そのものが年度ごとに動き(直近10年で50問中33点から38点)、そのうえで合格率は10月試験で15.4%から18.7%の範囲に収まってきました。集計している期間もそろっていません。つまり宅建は何点取れば受かるかを受ける前に確定できず、FPは確定できます。ここから先で比べられるのは3つです。受ける前の条件は逆向きで、宅建は誰でも受験でき、FP2級は3級合格などの受検資格が要ります。落ちたときのコストは、宅建が年1回で次は12か月後・8,200円は返らないのに対し、FP2級は前回の合格発表日の翌日以降に受け直せます。合格したあとに要るものも違い、FP技能士は合格で名乗れますが、宅建士は登録と宅地建物取引士証の交付が別に必要です。どちらが難しいかを決めるより、1回の失敗に何を払えるかで選ぶほうが判断には使えます。

理由と、その根拠にした公式情報は本文にあります。

FP2級と宅建は、どちらも独学で受ける人が多く、順番や併願の相談で並べて出てきます。この記事で扱うのは、その2つを比べるときに何を見れば判断に使えるかです。運営者は宅建に合格していません。 勉強はしましたが受かっておらず、宅建の難しさを合格者として語れる立場にありません。書けるのは、両方の実施団体が公表している情報から観測できる差だけです。

FP側の合格率と合格基準は、学科のものを使います。実技は種目が団体で違って横に並べられないのに対し、学科は両団体で同一問題だからです。実技の時間や問題数を出すところでは日本FP協会(資産設計提案業務)の数字を使い、そのつど断ります。

合格率を並べても、比べたことにはならない

宅地建物取引士資格試験は、令和7年度が受験245,462人・合格45,821人で、合格率18.7%でした。FP2級の学科は、2025年10月から2026年2月のCBTで、日本FP協会が47.18%(受検27,310人)、きんざいが24.07%(受検18,417人)です。

数字だけを並べると宅建のほうが低く見えます。ただしFP側は、同じ期間に同じ問題を解いた結果が団体で23ポイント違っています。この差が映しているのは、試験の難しさではなく受けている人の集まりです。片方が母集団で動く数字である以上、もう片方と引き算しても意味を持ちません(FP側の団体差はきんざいとFP協会、どっちで受けるかで扱っています)。

そろっていないのは母集団だけではありません。FP側は5か月ぶんのCBT集計で、宅建側は1年度ぶんの集計です。数え方の期間も違います。

合格点の決まり方

比べられるのは、合格の決まり方です。

FP2級の合格基準は、日本FP協会の試験要綱で学科が60点満点中36点以上、実技が100点満点中60点以上と決まっています。何点取れば受かるかは、申し込む前から分かります。

宅建は、合格基準点そのものが年度ごとに動きます。機構が公表している実施概況から、直近5年分を並べます。

実施年度 合格基準点(一般受験者) 合格率
令和7年度 50問中33点 18.7%
令和6年度 50問中37点 18.6%
令和5年度 50問中36点 17.2%
令和4年度 50問中36点 17.0%
令和3年度(10月試験) 50問中34点 17.9%

「一般受験者」と断っているのは、宅建業に従事して登録講習を修了した人が5問免除の45問で受けるからです。その人たち向けの基準点は別に公表されています。この記事では一般受験者の数字を使います。

同じ資料の10年分で見ると、基準点は33点から38点まで動きました。50問中の5点なので、年によって1割ぶんの幅があった計算です。合格率のほうは、10月試験だけを取れば15.4%から18.7%の範囲に収まっています。

基準点の決め方を機構は公表していません。 決め方を説明した文書は見当たらないので、仕組みは推測しないでおきます。判断に効くのは結果で、そちらは事実として書けます——宅建は、何点取れば受かるかを受ける前に確定できません。 38点が必要だった年があり、33点で足りた年もあります。

FPの6割固定とは、対策の立て方が変わります。FPなら過去問の得点で合格基準との距離を直接測れます(測り方はFP2級はどのくらい難しく、どのくらい時間がかかるかにあります)。宅建には確定した合格点がないので、同じ測り方はできません。代わりに置けるのは、過去10年の一般受験者の基準点が50問中33点から38点の範囲にあった、という実績のほうです。上端の38点を目安にすれば、動いた範囲の全部をまたぐ位置になります。

受ける前の条件

宅建の受験資格について、機構の概要は「日本国内に居住する方であれば、年齢、学歴等に関係なく、誰でも受験できます」と書いています。思い立った年に申し込めます。

FP2級には受検資格があり、3級合格・FP業務の実務経験2年以上・AFP認定研修の修了・旧審査試験の合格のいずれか1つが必要です。当てはまるものがなければ、先に3級かAFP認定研修を挟むことになります(いきなりFP2級は受けられるか)。

入口が狭いのはFP2級のほうです。合格率の比較には現れない差ですが、受けられるようになるまでの期間には効きます。

落ちたときに何を失うか

外形をそのまま並べると、次のようになります。

FP2級(日本FP協会) 宅建(一般受験者)
実施 通年のCBT(短い休止期間あり) 年1回・10月の第3日曜
試験時間 学科120分・実技90分 2時間
出題 学科60問・実技40問 50問・四肢択一式
手数料 学科5,700円・実技6,000円 8,200円
次に受けられるのは 前回の合格発表日の翌日以降 翌年の10月

実技の時間と問題数は協会の資産設計提案業務のものです。きんざいの実技は科目が分かれていて、この欄には並べられません(きんざいとFP協会、どっちで受けるか)。宅建の登録講習修了者は45問・1時間50分になります。

宅建で不合格になると、次の機会は12か月後です。受験手数料は、申込みが受理されなかった場合などを除いて返還されません。申込みは7月、試験は10月、合格発表は11月下旬なので、続けるか降りるかを考える時期も1年のうちの決まった位置に来ます。

FP2級は通年で、次に受けられるのは前回の合格発表日の翌日以降です。合格発表は受検月の翌月中旬なので、待つのは半月から1か月半ほどになります(FPのCBT化で、何が変わって何が変わらないか)。年に数回、数日から1週間ほどの休止期間があります。受検日の3日前まではキャンセルもでき、手数料を差し引いた分が返ってきます。宅建にこの経路はありません。

申し込んだ人が受けなかった割合も、公表された数字から出せます。令和7年度の宅建は申込306,099人・受験245,462人で、およそ2割が受けていません。FP2級の学科は同じ期間に、協会が受検申請29,822人・受検27,310人、きんざいが20,498人・18,417人で、1割前後です。理由はどの資料にも書かれていないので、この差がどこから来るのかは分かりません。

出題の基準になる法令

基準日はどちらも4月1日ですが、区切り方が違います。

宅建は「出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです」と機構が明記しています。年1回なので、受ける年度が決まれば基準日も決まります。

FPは、2級・3級のCBTで当年6月から翌年5月までに受ける分が当年4月1日基準という帯になっています。同じ年度でも、5月に受けるか6月に受けるかで基準日が1年ずれます(FP2級の独学は、どこで足りなくなるか)。

教材の版を照合するとき、宅建は年度を見れば足ります。FPは受ける月まで見ることになります。

合格したあとに要るもの

FP技能士は、学科と実技の両方に合格すると合格証書が発行され、等級ごとに技能士を名乗れます。きんざいのFAQは、1級・2級・3級の技能士について「一度取得すれば一生有効です。更新の手続はありません」と書いています。

宅建は、合格しただけでは宅地建物取引士になりません。機構の概要は「試験に合格し、試験を実施した都道府県知事の資格登録を受け、かつ、当該知事の発行する宅地建物取引士証の交付を受けた者」を宅地建物取引士と定義しています。合格の先に、登録と交付という別の手続きが残ります。

難易度とは別の話ですが、取ったあとに何が手元に残るかを比べるなら、ここも同じ表に載る項目です。

運営者の場合

運営者はFP2級・3級に合格していて、宅建は勉強しましたが合格していません。だからこの記事には、宅建の中身がどう難しかったかを書いていません。書けないからです。

FP側についても、合格したのは紙試験の時代です。CBTの受け方は公式情報から書いています。

片方だけ受かっている人間が両方の難易度を語ると、受かったほうを基準にした話になります。

どう判断するか

  • 合格率の引き算をしない: 宅建の合格率は、合格基準点が年度ごとに動くなかで、10月試験では15.4%から18.7%に収まってきました。FPの合格率は同一問題でも団体で割れます。同じ「合格率」という語でも、指しているものが違うということです
  • 合格点が確定するかで見る: FPは6割で固定なので、過去問の得点で距離を測れます。宅建で目安に置けるのは、過去10年の基準点が50問中33点から38点の範囲にあった、という実績のほうです
  • 1回の失敗にいくら払えるかで決める: 宅建は落ちると次が12か月後で、8,200円は戻りません。FP2級なら半月から1か月半で受け直せます。使える時間が読みにくい時期ほど、この差は重く効きます
  • 入口の一段を数に入れる: 宅建は誰でも受けられますが、FP2級は3級合格などが先に必要です。受検資格がない状態から比べるなら、FP側には一段多く積まれています

この記事が参照した一次情報

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